IoT化ってどういう事だったっけ

IoT化ってどういう事だったっけ IoT

近年急速に進み、メディアでも耳にすることのある「IoT化」という単語。筆者自身も、ちゃんと調べるまでは何を指すかよく知らなかった。
そんな近代化に乗り遅れたかけた私だからこそ持てる視点があると思ったので、「何を調べたか」「何をもたらしたか」等を、ゲームや実際の機器の例を挙げて紹介する。

そもそもIoTってなんでしたっけ

IoTは「センサーなどを介し、モノをインターネットに繋げ、データを収集し、モノ同士で相互に作用する」といった構想。
モノ自体に光や動きなどを検知するセンサーを取り付け、その情報をインターネットを介して収集し、ビッグデータとして活用したり、別のモノに指示を飛ばし、生活を豊かにしたり、という構想だ。

「IoT」の構想段階の前段に「ユビキタス」というものがあった

IoTという発想の前に「ユビキタスコンピューティング」という考えが提唱されている。
これは「いつでもどこでもコンピューターの能力を使えるようになる」という構想で、1980年代後半~1990年代にかけて提唱された。しかし提唱された当時は一つ一つの機器のサイズが大きく、あまり普及はしなかったが、近年のコンピューターの小型化の波を受けて、「ユビキタス」という考えや「IoT」という考えの実現に大きく近づいた。

「ユビキタス(ubiquitous)」とは「偏在する」といった意味を持つ。

 

「モノをインターネットに繋げる」って……どういうこと?

上の段でモノがどうこうと複雑に書いてしまったが、お分かりになっただろうか?
これからIoT化の実例を出すために、少々昔の話をする。音ゲー老人会はご遠慮ください

21世紀初頭に行われた、インターネットへの接続事例

1999年2月稼働開始『beatmania IIDX』(以下IIDXと表記) というゲームでは、特定の楽曲群を連続でプレーし、そのスコアを競うモードがあった。セットリストごとに筐体上で自動ランキング化がなされ、上位に入れば筐体上にリザルトが掲載される。また別の手順を踏めば、インターネット上でもランキング化されるシステムも存在した。しかし最初期はプレー後に出てくる文字列を覚え、それを専用サイトに入力するとエントリーが完了するという少々面倒な流れだった。

beatmania IIDX 5thStyleの、インターネットランキング登録用のパスワード表示画面。 プレーヤーネームと、11文字の英数字と記号からなる。

IIDX 5thStyleのインターネットランキング登録用パスワード画面。中央の192は私のプレイヤーネーム。 わかりにくい名前で申し訳ない。

画像下部のURLは、既にアクセスできない状態となっている。

2003年6月稼働開始『IIDX 9thStyle』へのアップデートで、筐体内部の基盤等が交換され、筐体そのものが専用のサーバーに繋げられるようになった。これによりクリアデータやスコアの保管、自動ランキング化が成されるシステムが導入され、パスワードを記録しサイトで入力する手間が無くなった。
現在では誰でも公式ページからランキングを閲覧することができる。

IIDX 31 EPOLIS「アリーナキューブランキング:第6回」の最上位層。執筆時点での最新バージョンにあたる。

EXPERTモードは、2012年9月で廃止となっている。現在でも決められた楽曲を繋げて遊ぶモードはあるが、スコアは重視されず完走が目標となる「段位認定」モードのみになっている。

以上がIoT化の事象の一つである。「元々インターネットに繋がっていなかったものが通信機能を持ち、各地のデータを自動収集可能になった」という形が見えるだろうか?これこそが「モノのインターネット化」つまりIoT化である。
上の例であれば、8thまではオフラインのみだった「ゲーム機」というモノが、9thからインターネットに繋がった。これにより、「別のゲーム機」で取得されたスコアとの比較が自動で行われるようになった。これが「IoT化」の一つであろう。
これを別のものに置き換えて、「面倒だった作業がインターネットによって楽になる」という構図がわかれば、ひとまず大丈夫だろう。

 

現代ではどうなの?

「スマート家電」と言われる物を聞いたことがあるだろうか。これが台頭し始めたころは、テレビでも特集が組まれるほどだった。
筆者が印象に残っているのは、あらかじめセットした時間になったらカーテンが自動で開くという機器。これはスマートフォンなどで時間を指定し、カーテンレールに取り付けたその機器が時間になると同時に動くというもの。

SwitchBotが出している『SwitchBot カーテン3』を例に挙げて紹介すると、時間だけでなく、照度や音声によってもカーテンの開閉が出来る。アプリをスマートフォンに入れると、どれくらい開放するか等の細かい設定も可能になる。

Switchbot公式ページ(https://www.switchbot.jp/products/switchbot-curtain3)より

照度センサーや遠隔操作は別売りの機器が必要。
この便利さを演出するために、機器同士の通信やインターネット等を使っている。
上記のスマートカーテンは主に、スマホ等からカーテンレールに取り付けた機器へと指示を飛ばす。指示を受けた機械は、それの通りにカーテンを開け閉めする。「モノ(スマホ等)とモノ(スマートカーテン)で通信し、生活を豊かにする」という点で、IoT化の恩恵を受けている。

別のものと混同している可能性

一つ気になる点がある。それは『AI』と混ざって覚えている可能性だ。サジェスト(検索予測)にも「iot ai 違い」と出てくることがある。
結論から言うと、これらは全く別の概念と言って差し支えない。
同じ「アーティスト」というくくりにしても、マイケルジャクソンとゴールデンボンバーくらい違う位置にいると思って欲しい。

じゃあAIってなんぞ?

そもそもAIとは、日本語で人工知能という意味。「人が作った知性」という名の通り、AI自身が独自の思考を巡らせ、答えを出すというものだ。現代では様々な事情が複雑に絡んだ課題の解決案を発案したり、自動でイラストや音楽等を生成したり、データに基づいて予測をしたりするといった物が有名。
問題解決や文章生成の基となるデータは、基本的にはAIが搭載された機器に直接打ち込むか、サーバーと通信しながらAIと対話する事が殆どだ。
AIは「Artificial Intelligence」を短縮した言い方。これを日本語訳すると「人工知能」という言葉になる。

例えば自動販売機で、「どこの自販機どの時間どの商品が買われた」というデータを、設置した企業で集めたとする。勿論深夜の時間帯は購入数が少なくなり、ご当地の名産品が置いてあれば、それが人気になるのは予想がつく。
だが、いざ集計してみると想像と全然違ったり、思わぬ角度からの知見が得られることもある。
これは筆者の想像に過ぎないが、駅構内にあるからといって、コーヒーが多く売れたりするわけでは無かったり、夜勤の人が使うからなのか、深夜3時台の方が午前11時台より多く売れたりすることが分かったりするかもしれない。実際は全く違うかもしれない。この一文は、筆者の 妄想 想像である。

そしてその集計されたデータを予測し、将来「こう推移するかも」というデータを予測するのが、AIの得意分野だ。
このように、「沢山のデータから一つの結論を出す」という事に関しては、人間やIoTだけでは限界がありAIに積極的に頼る部分だと思っている。
そしてIoTはというと、まだ自動で購入データを送信する機能が無い自動販売機に、インターネットを介して、本部のサーバー等に送信できるようにすることだ。

以上をまとめると、

「AIは機器の中に組み込まれている物」「IoTはそれぞれの機器を接続する事」

という見方が出来るのではないだろうか。AIどうしで通信する事もあるが、AIという言葉が指すのは繋がっている「機器全体」であったり、それぞれの「機器一つひとつ」であることがほとんど。
そしてIoTは何か特定のものを指すわけではなく、通信を利用した「手段」の一つである。

まとめ

以上が『IoT化』についての説明だったが、お分かりいただけただろうか。
「利便性のためにインターネットを利用する」という考え方が当たり前になりつつある時代だからこそ、覚えておきたい情報だと感じた。

コメント

  1. 匿名 より:

    最近様々な場所で目にするようになったIoTを詳しく説明してくれいる。

  2. 匿名 より:

    IoTとは何か。AIとIoTとのつながり方などが分かりやすく説明されており理解しやすい文章だった。
    モノとインターネットのつながりはデバイスの十分な小型化が進んだ現代からが本格的な出発点になると思うので今後も注目するべき内容であると思った。

  3. 匿名 より:

    IoTの歴史の中にビーマニがあるとは思わず、非常に興味深い内容だった。IoTに明るくない人でも分かりやすい記事だったと感じた。

  4. 匿名 より:

    自分たちの世代は生まれた頃から割とネットなどが普及してきた時代で、IoTというものは生活の中で欠かせないものとなっている。けどその実態は理解していない人など多くいると思うのでそのような疑問に対して知ることができると感じました。

  5. 匿名 より:

    改めてIotやAIがどのようなものなのかを理解することができました。

  6. 匿名 より:

    IotやAIについての前提知識を身に着けるのに非常に適した内容であると感じた。
    一点だけ、インフォメーションが小さいのが気になったが非常に良いものであると思う。

  7. 匿名 より:

    IOTやAIについて詳しく説明することで、わからない人でも読み進めることができる記事です。とても良いと思います。

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